【5分で読める】キュレル 浸潤保湿フェイスクリームを使って成分解析レビューしてみた
昨日に続けて3本目の投稿です.
2週間前に花王さんの
キュレル 保湿フェイスクリーム
を買っており,ナイトケアとして使い続けてみたのでレビューしますね!
なんとこれ,@コスメ3年連続受賞で殿堂入りしているだけでなく2019年の美的でもクリーム部門で一位を受賞している伝説クリームなんです・・・
(出典:https://www.kao.co.jp/curel/special/19facecare/)
いつも通り,3つの側面で解説していきます.
結論から言うと,保湿と肌荒れ防止ができて2,530円は正直買いだと思います!
- 使用感
- 成分解析
- 本日の化学豆知識
1. 使用感
はじめに私は浸潤と言う単語をこの商品で初めてききました笑
そもそも浸潤で検索するとこの商品がほぼトップの検索結果を占有するので,意図があってそのような名前にしたのかもしれませんね.
購入後,箱から開けて取り出すとこんな感じ
ポン
デザインはシンプルでちょっとだけドクターズコスメ感ありますよね笑
医薬部外品だからそう言うデザインにしたのかな・・・?
まず,テクスチャーとしては全然重くないですね!
近い距離で見てみるゲル系クリームとこっくり感のちょうど 間って感じです.
具体的にはナチュリエさんのハトムギ保湿ジェルよりは重いが,第一三共ヘルスケアさんのぷるぷるリペアジェルパックよりは軽いかな
さっぱり感:ハトムギ保湿ジェル>キュレル 浸潤保湿フェイスクリーム>ぷるぷるリペアジェルパックって感じ
わかりにくかったらすみません笑
(出典:https://www.imju.jp/shop/g/g4903335695551/)
(出典:https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_minon-aminomoist/products/rg.html)
私は鼻周りが脂漏性皮膚炎で,オイル感あるクリームは鼻周りには使えないので乾燥しやすい頬やフェイスラインに毎晩塗布してました.
余談ですが,このテクスチャーは200回以上の施策,12年以上かけて作られたようです・・・
参考文献リストに載せた特許によると,
「セラミド脂質類は結晶性が高く、溶解や分散し難く、また、例えば単に液状の油性成分に溶解させて配合しても結晶が析出しやすく、その結果皮膚や毛髪へ十分に浸透、固着させることが難しい。」
この発明でセラミド機能成分に他の有効成分を配合できるようにもなっているようですしね.
常温の水に角砂糖を溶かすような難易度の高いことを可能にしたとイメージしてみてください.まさに,努力の結晶・・・!
結果としては,
2週間使ってみて,乾燥で軽く皮向けしがちな頬はしっかりうるおっていました!
なので朝起きて,男性向けのFIVEISMのバーファンデを塗ってもウキにくくなりました.
2. 成分解析
成分はこちら!
アラントイン、精製水、グリセリン、ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド、シクロジメチコン、スクワラン、トリシロキサン、ジメチコン、POE・ジメチコン共重合体、長鎖二塩基酸ビス3-メトキシプロピルアミド、ユーカリエキス、硫酸Mg、BG、イソステアリルグリセリルエーテル、コハク酸、水酸化ナトリウム液、パラベン |
赤色→消炎剤
青色→保湿剤
その他の黒字は溶媒,調整剤,防腐剤です.
よくみると,花王さんはあまり訴求していませんが保湿で有名なスクワランも配合されているんですね.
母もスクワランのオイル買ってたなあ〜
コハク酸といえば2018年に花王研究所が日本化粧品技術者会で優秀論文賞を受賞された「しなやかな髪の力学特性とそれを実現する毛髪精密改質技術の開発」で取り上げられていたのを思い出しました.簡単に説明するとコハク酸の添加で髪がしなやかになったそうです!
ほんとはもっと他の論文も読みたいのに所属するところは自動車技術会ですし,化粧品メーカーに就職しないと学会に所属できないからブログで参照することもできない・・・
だからj-stageみるしか・・・
おっと,心の声が漏れてしまいました笑
話を戻すと,やはりこの商品のウリは
揺らぎ肌にアプローチするアラントインと
努力の結晶である保湿物質ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド(セラミド機能成分)
ではないでしょうか!
でも,セラミド”機能”成分だからって品質が劣る訳じゃないんですよ!
しかも,花王さんのメリーズ ベビーローションにも配合されていているのでとっても低刺激.(セチルPGヒドロキシエチルパルミタミドと表記されていますが構造は同じようです.)
詳しくは3の「本日の化学豆知識」でご説明します.
3. 本日の化学豆知識
今回,紹介するのはセラミド機能物質である,ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミドです!
開発当時にはセラミドは高かったようで,お客様のために効果的な量を配合するため,セラミド2と言う天然由来のセラミドの分子構造に似せた合成セラミドを開発されたようです.
結論として,セラミドの効果は水分を保持しつつ,刺激から肌を守ると言う効果があります.
これは,セラミドの効果を図解すると図1のようになります.
これは肌の細胞間物質がセラミド,遊離脂肪酸,コレステロールを主として構成されていることに起因します.
「でも,セラミドみたいに大きい分子が本当に肌の内部に入るの??」
なんで思ったそこのアナタ!!
安心してください,はいりますよ
参考文献リストにも載せていますが500ダルトン則と言うものがあって分子量が500未満のセラミドは(天然セラミドで398 g/mol)角層へ浸透することができる訳です!
(こちらも参考にするとわかりやすいかも:https://pediatric-allergy.com/2018/10/13/500-dalton-rule/)
だから,”浸潤”と言うネーミングなのかもしれませんね・・・
化学に興味を持ち出した方,コスメが好きな方どんどん見ていってくださいね!
参考文献
・https://www.kao.co.jp/curel/special/19facecare/
・https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_minon-aminomoist/products/rg.html
・https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/site_minon-aminomoist/products/rg.html
・https://cosmetic-ingredients.org/moisture/hexadecyloxy-pg-hydroxyethylhexa-decanamide/
・特開2008-081407
・美的2019年8月号
・八田一郎,”皮膚のバイオサイエンス ー皮膚角層の構造と機能ー” (皮膚接着学会誌,2016)
https://www.jstage.jst.go.jp/article/adhesion/52/5/52_5-5/_pdf